日曜織り人PEKOの休日

休日に機織りをしています。

東京スピニングパーティー2014

楽しみにしていた東京スピニングパーティーに行ってきました❗️
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今回から会場が浅草橋のHULIC HALLに変わりました。
駅から徒歩2分。アクセスは良いです。

最初のレクチャーの開始時間に、ちょっと遅れて到着。

「糸屋アメリカ珍道中」と題する八布テキステイルの植木多香子さんのお話。
10代でアメリカに渡り、ニューヨークの美術大学卒業後、高島屋勤務を経て糸屋さんを始められ、現在に至るまで続けて来られた波乱万丈⁉︎の人生…。
あまり先のことを考えないできたからここまでやってこられた、とのことでした。

植木さんの学生時代には、既にニューヨークの人々は皆忙しく、手織りをしている人は少なかっとことや、手仕事の衰退に変わってシルクスクリーンが流行ったのだ、というエピソードは、昨今の日本の状況とも重なりますが、商売を始めてからは、アメリカ人が好奇心旺盛であることに大いに助けられた、というお話には実感がこもっていました。
ニューヨークの魅力は、誰でも受け容れる街であることだと聞いたことがありますが…。

また、腰を痛めてしまわれた時に、治療に行った先で、初対面の鍼灸師さんが、そのことを見抜いて、「あなたは、あまり先のことを考えないできたでしょう」と指摘なさったというお話が面白かった…。
生き方が腰に出るのか…?身体は正直ということですかσ(^_^;)

サンプル糸を見せていただき、ユニークな変わり糸に心を惹かれましたが、じ〜っと我慢。
これ以上糸の在庫は増やせない(^^;;

ここで、お教室でご一緒した皆さんと久しぶりにお会いしました。
皆さんそれぞれに、いろいろ困難を抱えていらっしゃるようですが、楽しいことは細々とでも続けたいという思いは、皆同じです。

午後のレクチャーは大賑わい。森由美子さんの「受け継がれるホームスパン」。
立ち見も出ていました。

染織と生活社から出版された「ホームスパンテクニック」は、手紡ぎ手織りの数少ない名著だと思います。
最初に私に織りを教えてくださったB先生曰く、「こんなに丁寧に書いてある本は他にない」とのことで、紡ぎを始めて間もない頃に購入しました。

ホームスパンテクニック

一旦絶版になっていたそうですが、この度復刊の運びとなったそうで、うれしい限りです。

まずホームスパンの歴史。
家庭で羊毛を手紡ぎ手織りした布である、ホームスパンの元祖はイギリスですが、有名な「ツイード」という名称は、スコットランドアイルランドの間を流れるツイード川と、古いスコットランド語で綾織を意味する「ツイル」の誤記(Tweels→Tweeds)から生まれたということ。
日本のホームスパンは岩手県にイギリスの宣教師が伝え、現在も岩手県盛岡市と東和町には複数の企業、工房があり、伝統を伝えているということ。
最後に、森さんの工房での制作の工程と紡ぎの実演が主な内容でした。

森さんの熟練された手で、ゆっくり紡がれていく羊毛はとても柔らかな糸になっていたように見えました。
今回は、織られた布にも触らせていただきましたが、きっちり紡がれた糸の安心感というか、信頼性は一朝一夕に得られるものではなく、感動ものです。

手紡ぎ糸の良さは、ゆっくり紡がれることによって空気が多く含まれ、柔らかさが保たれることです。
紡ぎ車をゆっくり回し、ゆったりと大きな枠に巻き取り、糸にかかる力を少なくすることが良い布を生む、というあたりは、肝に銘じたいところです。

急いてはことを仕損じる。。

「ホームスパンの布は、消費される布ではなく、受け継がれる布です」というお言葉も心に残りました。丁寧に作ったものを大切に使いたい。

ブースで久々にお見かけしたのは、北海道白糠の「羊まるごと研究所」の酒井伸吾さんと、大切に育てられた羊たちの元気そうなフリース。
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(サイトはこちらです。http://himakenn.fc2web.com)

ここのサフォークを紡いで、ショールを織ったことがあります。
紡ぎは下手でも、ふかふかに仕上がりましたよ〜(^^)

在庫の原毛たくさんあるので、今年は紡ごう❗️
来年は未年🐑だし、ね。